AIを活用した広告・チラシの作成方法や注意点を徹底解説！無料ツールも紹介
AI（人工知能）の技術は近年大きく進化し、広告作成の手法が劇的に変わりつつあります。
特に生成AIを活用することで、これまで時間とコストがかかっていた広告やチラシの作成が短時間で可能になりました。
本記事では、AIを活用した広告作成の方法や具体的な無料ツール、利用時の注意点を詳しく解説します。
実際に生成AIをつかって制作している企業も併せて紹介していますので、広告やチラシ作成に生成AIを考えている企業担当者様はぜひ参考にしてください。
生成AIとは
生成AIは、学習した膨大なデータをもとに新しいコンテンツを生成するAI（人工知能）技術です。
いままでのAI（人工知能）はディープラーニングによって作業を自動化することが目的でしたが、生成AIはデータのパターンや関係性を学習して新たなコンテンツを生み出します。
生成できるコンテンツはテキストをはじめ、画像・動画・音声・音楽とさまざまです。
これまでのAIと生成AIの大きな違い
これまでのAI（人工知能）と生成AIには大きな違いがあります。
それは「新しいコンテンツを生成できる」という点です。
従来のAIは人間が与えたデータを学習し、その中から適切な答えを導き出したり結果を予測したりしてきました。
つまり決められた範囲内の作業を効率化・自動化することが目的だったのです。
対して生成AIは、ディープラーニングによって学習を積み重ね、その中からデータの関係性や特徴を見出すことで新しいコンテンツを作り出します。
こうした生成AIの技術進化は、業務効率化や品質向上に役立てられて多くの企業で活用が進んでいます。
AIで広告作成を効率化するメリットと課題
生成AIにはいくつかの種類があり、それぞれ生成できるものが異なります。
広告やチラシの作成でよく活用される生成AIは、画像生成AIと呼ばれるものです。
テキストによる簡単な指示を出すことで、それにあった画像データを自動で生成してくれます。
もちろん画像生成AIにもいろいろな種類があり、実際の写真風・イラスト風・アニメーション風など幅広いジャンルでの画像生成も可能です。
では広告やチラシの作成に生成AIを活用するメリットは何なのか解説します。
AIで広告作成する3つのメリット
生成AIを広告作成に活用するメリット①クリエイティブ制作時間の短縮
まずはクリエイティブ制作時間の大幅な短縮です。
たとえばWeb広告に使うバナーを制作する際には、次のような工程があります。
- コンセプトの立案
- デザイン
- バナー作成
- 動作テスト
- 修正と確認
これらの作業を人の手で行うと、最もシンプルなバナーで半日から1日程度、複雑なデザインを含むバナーだと数日から1週間程度かかります。
生成AIを活用すればこれらの作業が最短で数分、複雑なバナーでも数時間で完成させることが可能です。
生成AIで広告作成を行った企業の一例として、某Eコマース企業では、バナーデザインに要していた1週間の工程が1日以内に短縮されたケースがあります。
生成AIを広告作成に活用するメリット②制作に必要なコストの削減
人的リソースの負担軽減も大きなメリットです。
従来、広告制作のようなクリエイティブな現場には、デザイナーやクリエイターなど多くの人がかかわってきました。
生成AIは、膨大なデータを学習して新しいデザインやキャッチコピーを自動生成します。
もちろん何種類ものデザイン案からよいものを選び、修正箇所をチェックするのは人の役目ですが、全体のコスト削減は大きなものになるでしょう。
生成AIを広告作成に活用するメリット③デザインの幅が広がり、広告効果も上がる
生成AIはデザインの発案もしてくれます。
いままでのデザインは人が時間をかけて作業してきました。
しかし生成AIは膨大なデータとパターンを学習し、そこから新しいデザインを生成します。
人の規定概念にとらわれない、斬新な広告デザインを生成できるのも生成AIのメリットであり、加えてそうした案を一度に複数生成することも可能です。
デザインの幅が広がれば、異なるターゲットにあわせた広告カスタマイズが可能になり、より広告効果は上がっていくでしょう。
AIを使った広告作成で押さえておきたい課題
AIを使った広告作成の課題①商用利用の確認
生成AIツールで広告を作成する際は、商用利用可能であるかどうか必ず確認してください。
有料・無料にかかわらず、AIツールのなかには商用利用を認めていないものもあります。
利用するツールの規約をよく読んで、商用利用が認められているツールを選ぶようにしましょう。
商用利用の条件として、クレジットの表記やライセンス料が発生する場合もあります。
AIを使った広告作成の課題②著作権リスク
生成AIの利用で注意すべきポイントとして、著作権の侵害にあたるかどうかという点があげられます。
たとえ商用利用可能なツールを利用したとしても、入力する画像やテキストに著作権侵害の恐れがある場合はリスクが高まります。
具体的には、
- 著作権のある画像をインプットした
- 生成された文章が既存の著作物と類似している
- 他の人が使用したプロンプトを無断で流用した
このような場合は著作権侵害の恐れが発生します。
日本では生成AIに関する法整備がまだ整っていませんが、海外では生成AI利用に関する法律策定が進んでいます。
生成AIを活用して広告やチラシを作成する場合は、著作権侵害や知的財産権侵害に十分注意しましょう。
AIを使った広告作成の課題③生成物の信頼性
生成AIの技術は日々進化しており、本物の写真となかなか区別がつかないようになってきました。
視聴者や消費者のなかにはAIを活用していることに対して、まだ完全に受け入れられない人も数多くいます。
広告やチラシを作成する際には、コンテンツが「AIによる成果物である」ということを明記するようにしましょう。
これにより視聴者や消費者側でコンテンツの評価ができるようになります。
生成AIは広告クリエイティブにおいて、大きな変革をもたらすことが期待されます。
しかしながら未だ生成AIに関する法整備が整っていない日本では、AI広告でのリスクが生じる可能性も否定できません。
例えば、生成AIで作成した広告画像が他社の既存デザインと酷似していた場合、著作権侵害に問われる可能性があります。
こうしたリスクを避けるためにも、成果物の最終確認は人間が行い、必要に応じて法律の専門家に相談するようにしましょう。
AIを活用した広告作成の無料ツール5選
広告・チラシが作成できる無料ツールはいくつか公開されていますので、代表的な生成AIツールをいくつか紹介していきましょう。
AI広告作成ができる無料ツール①直感的操作で簡単作成「Canva AI」
Canva AIは、オンラインデザインツール「Canva」上で提供されている画像生成サービスです。
画像生成はテキスト入力で行います。
また豊富なテンプレートとデザイン素材が利用可能で、編集もドラッグ&ドロップと直感的にできる魅力があります。
生成AIがデザインした画像は、手動で微調整可能です。
AI広告作成ができる無料ツール②文章と画像を一括生成「ChatGPT + DALL-E」
OpenAIが開発したChatGPTは、対話形式でテキストを生成できるツールです。
チラシの内容や目的を入力することで、AIが広告文章を自動で生成してくれます。
また有料プランにはなりますが、画像生成モデル「DALL•E」を利用すれば、テキスト入力で画像を自動生成することもできます。
ChatGPTでチラシの文章を生成し、その文章をDALL-Eに入力して画像を作成するといった使い方が可能です。
AI広告作成ができる無料ツール③プロ仕様のデザインが可能「Adobe Express」
Adobeが提供するオンラインデザインツール「Adobe Express」には、AIを活用したデザイン自動生成機能が備わっています。
テキストや画像を入力すると、レイアウトやデザイン要素をAIが提案してくれます。
Adobeフォントや高品質な画像素材が使用でき、配色などの変更が自由にできるためクオリティの高い広告制作が可能です。
AI広告作成ができる無料ツール④初心者向けで手軽に使える「Microsoft Designer」
Microsoftが開発したAIデザインツール「Microsoft Designer」は、テキストや画像からチラシのデザインを自動生成します。
デザインの知識がない人でも簡単に操作できるのが特徴で、Microsoftの提供する高品質な素材を使用して映えるチラシを作成できます。
Microsoftアカウントがあればだれでも無料で利用可能です。
AI広告作成ができる無料ツール⑤幅広いテンプレートで広告作成を支援「Fotor」
「Fotor」はAIを活用して、広告やチラシのレイアウト・デザイン要素を提案してくれるオンラインデザインツールです。
ユーザーがテーマや目的を選択、画像やテキストを入力すると、AIがレイアウトやデザイン要素を提案してくれます。
テンプレートや素材ライブラリが豊富で、初心者でも簡単に操作ができるのが魅力です。
有料プランにすれば、AIによる画像生成機能も利用できます。
【代表的な生成AIツール】
| ツール名 | 利用料金 | 商用利用可否 | 適用広告種類 |
| Canva AI | 無料/有料 | 〇 | SNS広告・簡易デザイン |
| ChatGPT+DALL-E | 有料 | 〇 | キャッチコピー+画像生成 |
| Adobe Express | 無料/有料 | 〇 | プロ仕様の広告 |
| Microsoft Designer | 無料 | 〇 | シンプルなチラシ |
| Fotor | 無料/有料 | 〇 | SNS広告・チラシ |
AI広告作成を成功させる3つのステップ
生成AIはこれからの広告作成において大きなカギを握る技術です。
ここからはAI広告の作成を成功させるための3つのステップについて解説します。
ツール選びのポイント
生成AIツールには様々な種類があり、単にツールを使うだけではその実力を十分に発揮することができません。
広告分野での生成AIの活用には、戦略的にデザインに取り入れることが大切です。
AI広告作成では次のような場面で生成AIを活用できます。
- アイデア出しのサポート
- 時間短縮
生成AIの活用は、すべてのデザインをAIに任せるわけではありません。
いままでは、クリエイターが頭の中に思い浮かぶアイデアを視覚化するのに多くの時間を費やしてきましたが、DALL-E 2などのツールを利用すると抽象的なアイデアを簡単に視覚化することができます。
また生成AIの活用は、広告アイデアのスケッチやプロトタイプの作成にかかる時間を大幅に短縮できるのも魅力です。
「画像生成＝生成AI」と考えるのではなく、自分たちのクリエイティブにどのツールが必要か見極めることが重要です。
生成AIをうまく活用すれば、デザイナーはよりクリエイティブな作業に集中できるようになるでしょう。
ターゲットに合わせたプロンプト設計
プロンプトとは、AIに対して出す指示語です。
実は生成AIを使いこなすには、このプロンプトがとても重要なポイントになります。
生成AIプロンプト作成のポイントをいくつかまとめてみました。
- 指示は具体的にする
- トーンやスタイルを明確にする
生成AIは与えられた情報に基づいて成果物を生成します。
そのためプロンプトが具体的であればあるほど、より高品質な成果物が期待できるのです。
たとえば「猫」を描きたいときには、ただ単に“猫”と指示するのではなく、“長くて白い毛の青い目をした猫”“窓辺で暖かい日差しを浴びてくつろいでいる”というように、具体的な描写を伝えましょう。
また生成AIは様々なスタイルを理解します。
ターゲットに合わせたAI広告を作成するためには、広告の雰囲気やスタイルなどを明確にプロンプトで指示することが重要です。
また、どのような媒体（Web・ポスターなど）でのAI広告なのかを指定することにより、成果物の方向性がより明確になるでしょう。
効果測定と改善方法
広告マーケティングでは一般的に、A/Bテストを実施して広告効果を測定します。
A/Bテストとは異なる広告デザインを消費者に見てもらい、どちらが広告として効果的かを判断するものです。
いままでは、時間をかけていくつものバリエーションのA/Bテストを手作業で行っていました。
しかし生成AIを活用すれば、何十・何百もの組み合わせを短時間で行い、大規模なテストを実施することが可能になります。
A/Bテストの回数が増えれば、それだけ広告の効果検証効率は上がります。
生成AIを活用してA/Bテストの効果検証率を上げていけば、実際の売上に結びつく高いコンバージョン率達成が期待できることでしょう。
生成AIで広告作成を進化させる企業事例
日本でも生成AIを活用して広告を制作する企業が増えてきました。
ここでは広告に生成AIを活用し話題となった企業をいくつか紹介します。
生成AIで広告作成を進化させる企業事例①パルコ
（画像提供：パルコ「HAPPY HOLIDAYS広告が、AMDアワードで「優秀賞」を受賞より」
ファッションを中心に、音楽やアート、演劇など先端のカルチャーを紹介しているパルコは、2023年10月に画像生成AIを活用した「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」広告を公開しています。
生成AIで広告作成を進化させる企業事例②伊藤園
（画像提供：伊藤園より）
「お～いお茶」で有名な伊藤園は、2023年9月にリニューアルした「お～いお茶 カテキン緑茶」のテレビCMで生成AIで作成したAIモデルを起用し話題となりました。
AIで広告作成を進化させる企業事例③サントリー
（画像提供：サントリーより）
清涼飲料水でおなじみのサントリーは「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」のWebCM制作において、生成AIからのアドバイスをもとに作成したと公表しています。
これらのAI広告は、大手企業が手掛け成功を収めてきた実例です。
しかし生成AIの活用は、コストや人的リソースに制限のある中小企業にとってもメリットの多い技術です。
株式会社 Beyond AIが提供する「写真AI」は、すべての広告クリエイティブを写真AIによって実現しています。
「商品の画像はあるけれどモデルを手配する予算が難しい」「生成AIの技術を活用したいけれど専門的なプロンプトがわからない」といった中小企業が抱える悩みにこたえる生成AIサービスです。
AI広告の作成をもっと身近に感じていただけるでしょう。
AIで広告、チラシを作成するなら写真AI
生成AIの技術を広告やチラシ作成に活用する企業が増えています。
とくに画像生成AIによるクリエイティブ作成は、制作時間の短縮やコスト削減、新しい発想のデザイン作成など大きなメリットが期待できるものです。
また生成AIを用いてA/Bテストをすれば、広告の効果検証効率もあがります。
広告やチラシ作成に活用できる生成AIツールは多くあり、無料で利用できるものもあります。
ただし商用利用可能であるか、著作権の侵害はないかなど、人間によるチェックは必要です。
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